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事業承継とは何か。税制や手続きの前提を、難しい言葉のままにせず、はじめての方の言葉に翻訳して整理します。

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事業承継税制とは?特例措置をわかりやすく(自社株の税金を猶予・免除)

そもそも、何の制度なのか 会社を継ぐとき、いちばん重くのしかかるのが「自社株にかかる税金」です。先代が持っていた株を後継者が引き継ぐと、その株の評価額に対して贈与税(生前に渡す場合)や相続税(亡くなって引き継ぐ場合)がかかります。株の評価額が大きい会社ほど、税金も大きくなります。 そこで国がつくったのが事業承継税制です。一定の要件を満たせば、この贈与税・相続税の納税をいったん猶予し、最終的に後継者が亡くなるときなどに免除される。これが制度の幹です。むずかしい言葉が並びますが、「継ぐときの株の税金を、払わなくてよくする仕組み」と捉えてまず十分です。 「一般措置」と「特例措置」がある この制度には2つの入口があります。もともとある一般措置と、平成30年(2018年)の税制改正で10年間限定で設けられた特例措置です。特例措置のほうが、圧倒的に有利です。違いを表にまとめます。 項目 一般措置 特例措置(有利) 対象になる株式 全体の3分の2まで すべての株式(制限なし) 相続税の猶予割合 80%(実質、約53%まで) 100%(全額) 贈与税の猶予割合 100% 100% 後継者の人数 1人まで 最大3人まで 雇用を守る要件 5年平均で8割維持(未達は取消) 実質ゆるめ(未達でも理由を報告すれば取消にならない) 事前の計画書 不要 必要(特例承継計画) 期限 なし あり(後述) とくに大きいのが、相続のときです。一般措置だと「3分の2まで × 80%」で、実際に猶予されるのは約53%にとどまり、残りはふつうに納税が必要でした。特例措置なら全株式が100%猶予の対象になります。「特例承継計画を出しておくかどうか」で、後の税負担が数千万円単位で変わることもあります。 特例措置には「期限」がある(ここが要注意) 特例措置は10年間限定の制度で、入口に2つの期限があります。 特例承継計画の提出期限……もともと2026年3月31日まででしたが、2027年9月30日まで延長されました。 実際に贈与・相続を行う期限……2027年12月31日まで。こちらは延長されない見込みです。 気をつけたいのは、「提出が延びた=まだ余裕」と読んでしまうことです。延びたのは計画書の提出だけ。実際に株を渡す期限(2027年12月31日)は据え置かれたままです。計画を出してから実際の承継までには準備もかかります。期限の詳しい整理は、期限の専用記事でも解説しています。 「使えばお得」だけではない(売り手として知っておくこと) 有利な制度ですが、入る前に知っておくべきこともあります。 猶予であって、即免除ではない……要件を満たし続けてはじめて、最終的な免除につながります。 手続きが続く……認定を受けた後も、年次報告や継続届出など、続けるべき手続きがあります。 途中で要件を外すと打ち切り……猶予されていた税金を、利子税とあわせて納めることになる場合があります。 だからこそ、「節税になるらしい」と急いで飛びつくより、自社株の評価額や後継者の状況を整理したうえで判断するのが、売り手にとって損のない順序です。 で、あなたは何をすべきか 自社株のおおよその評価額を把握する……税負担の規模が見えると、制度を使う価値も判断できます。 特例措置を検討するなら、2027年9月30日までに計画提出……入口の期限です。逆算して動き始める。 その前に、税理士や公的窓口に相談する……認定支援機関(税理士など)の関与が前提の制度です。中立・無料の公的窓口(各都道府県の事業承継・引継ぎ支援センター)から始めるのも一つの手です。 事業承継税制は、急いで決める制度ではありません。まず全体像を知り、自社にとって本当に必要かを、落ち着いて見極めることから始めてください。 参考にした公式情報(一次情報) 国税庁「法人版事業承継税制」(制度の定義・特例措置/一般措置・猶予割合) 中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」(認定手続き)

2026.06 更新
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