補助金
事業承継・M&A補助金(2026年)とは?売り手が使える専門家活用枠をわかりやすく
M&Aの専門家費用は、補助金で一部戻ってくる 会社や事業を第三者に譲るとき、仲介会社やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)への手数料、相手企業を調べるデューデリジェンス(DD)の費用など、専門家に払うお金は数百万円になることも珍しくありません。 この負担をやわらげるのが、国(中小企業庁)の「事業承継・M&A補助金」です。以前は「事業承継・引継ぎ補助金」という名前でしたが、現在はこの名称になっています。売り手(譲る側)も対象です。 いまは「15次公募」(2026年6〜7月受付) 補助金は「公募」という募集の形で、回ごとに受け付けます。2026年は15次公募が動いていて、申請の受付期間は2026年6月19日〜7月24日 17:00(予定)です。 申請は電子申請「Jグランツ」だけで受け付けます。 申請には「GビズIDプライム」アカウントが必要です。発行に2〜3週間かかるので、使うと決めたら早めに準備してください。 ※受付期間や金額は予定であり、回ごとに変わります。申請を考えるときは、必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。 4つの枠のうち、売り手が見るのは「専門家活用枠」 この補助金には4つの枠があります。M&Aで会社・事業を譲る売り手が中心に見るのは専門家活用枠です。 事業承継促進枠……親族や従業員に継ぐときの設備投資など。 専門家活用枠……M&Aの専門家費用。←売り手はここ。 PMI推進枠……M&Aした後の経営統合(主に買い手)。 廃業・再チャレンジ枠……廃業にかかる費用(上限300万円)。専門家活用枠と併用できるので、「一部だけ譲って、残りは畳む」売り手も使えます。 専門家活用枠の中身(売り手向け) 補助の対象になる費用は、仲介・FAの費用/デューデリジェンス(DD)/セカンド・オピニオン/表明保証保険料などです。 ここでいちばん大事な条件があります。仲介・FAの費用は、「M&A支援機関登録制度」に登録された業者によるものに限られます。つまり、国に登録された業者を選ぶことが、補助金を受ける前提です。これは、悪質な業者を避けることとそのまま同じ方向です(→「悪質な買い手・仲介から身を守る」の記事もあわせてご覧ください)。 売り手が使う類型と、補助率・上限の目安は次のとおりです。 類型 補助率 補助上限 売り手支援類型 1/2(赤字、または営業利益率の低下〔物価高の影響等〕に当てはまれば2/3) 600〜800万円(DD費用を申請する場合に200万円を加算) 小規模売り手支援類型(2026年15次で新設) 2/3 450万円(小規模事業者等に限る) (参考)買い手支援類型 1/3・1/2・2/3 600〜800万円/2,000万円(100億企業の要件を満たす場合) 小規模な会社・個人事業の売り手向けに、2026年の15次公募から「小規模売り手支援類型」が新しく設けられました。当てはまる方は確認する価値があります。 「上限」であって、全員がもらえるわけではない 表の金額は上限です。実際の補助額は対象経費と補助率で決まり、上限まで必ず出るわけではありません。また、申請すれば必ず通るものでもありません。たとえば直近の14次公募では、専門家活用枠は申請299件に対して採択180件でした。事業計画の中身が見られます。過度に期待せず、要件を満たす準備を整えることが大切です。 で、あなたは何をすべきか 使うと決めたら、まず「GビズIDプライム」を申請する(発行に2〜3週間)。 仲介・FAは「M&A支援機関登録制度」の登録業者から選ぶ(補助の前提であり、悪質業者を避けることにもなる)。 公募要領で、自社がどの類型に当たるか・上限はいくらかを確認する。 まず無料・中立の公的窓口(各都道府県の事業承継・引継ぎ支援センター)で全体を整理してから動く。 金額・要件・期間は必ず公式サイトで最新を確認する(回ごとに変わります)。 補助金は「使えると分かってから動く」より「動くと決めてから逆算で準備する」ほうがうまくいきます。期限とGビズIDだけは、早めに。 参考にした公式情報(一次情報) 中小企業庁「事業承継・M&A補助金(十五次公募)の公募要領を公表します」 事業承継・M&A補助金 公式サイト 中小企業庁「中小M&Aガイドライン/M&A支援機関登録制度」
2026.06 更新